ネットワークシステムのIPに合わせて、VFD86F−LANの固定IPアドレスを設定する必要があります。
DHCPでIPアドレスを取得すると、IPを取得する毎にIPが変更(固定でない)されるために、ソフトウェア側からの制御が難しくなります。
最近のルータ等に搭載されている、固定IPを配ることができるDHCPサーバを利用することもできます。
(付属表示ソフトは固定アドレスのみ対応です。)
固定IPは専用IP設定プログラムをPCにインストールして設定することができます。
また、設置現場でのIP設定が行えない場合などのために、弊社出荷時にご指定のIPを設定して出荷いたします。(有料サービス)。
既設のネットワークを利用する場合、サーバーやルーターによるDHCP機能によるIPアドレス取得を利用されているケースが多いと思います。
その場合、DHCPの配信するIPアドレスとの競合を避けるために、サブネットアドレスと同じアドレス内で、DHCPから配信されない固定アドレスを用います。
(同じグループアドレスに設定して、コントロールする場合)
例:
ネットワークのベースIPが192.168.010.000/24で、DHCPの設定が192.168.010.020〜 128アドレス発行の場合
サブネットマスクが/24(255.255.255.0と同じ意味)の場合、192.168.010.000〜192.168.010.255が同じグループのIPアドレスとなります。
上記設定の場合は、DHCPサーバは192.168010.020から192.168010.147まで、連続した128アドレスを要求のあったクライアントに自動的に割り当てます。
この場合、192.168.010.001〜192.168.010.019、192.168.010.148〜192.168.010.254がDHCPが使用しない、自由に固定IPを使用できるアドレス
空間になります。XXX.XXX.XXX.000とXXX.XXX.XXX.255は特別なアドレスなので、固定IP割付には使用できません。
VFD86F-LANには上記IPアドレスで、他の機器と重複しないIPアドレスを固定IPアドレスとして指定してください。
設置台数の上限について、動作上の制限はネットワークによります。
IPの数や通信データ量により制限は出ますが、通常の運用に際しては、特別の制限はありません。
サブネットマスクにより、同じグループとなるアドレス範囲が決まるため、多くの機器を使用する場合、サブネットマスクの設定値を変更してください。
表示ソフトにVFD86F-LANに割り付けた固定IPを設定して、運用します。
表示ソフトに設定できるアドレスは自由ですが、ネットワークのアドレス範囲内でないと実際の通信ができません。
ワンポイント:
複数機器のIP設定の変更を繰り返すと、PC内のARPキャッシュ(IP-Macの変換テーブル)に、同一IPアドレスが蓄積され、ARPキャッシュがクリアされるまで、機器がネット内で一時的に見つからなくなる場合があります。その場合、PCのARP
-dコマンドによりPC内のARPキャッシュをクリアしてください。
接続には接続段数に制限がないスイッチングHubを推奨します。
スイッチングHubの機能として、中継すべきアドレス情報をRAMメモリにキャッシュ(記録)し、対象IPがどのケーブル接続口(ポート)に接続かを記録し、2回目以降の通信は対象ポート間でのみ通信を行うようになります。
そのため、Hubがアドレスをキャッシュした後にスイッチングHubのポート位置を変えると、キャッシュに保持(有効期間)されている間は、変更したポートを経由する機器と接続できない場合があります。
キャッシュ有効期間経過、Hubの電源再投入やリセット、キャッシュのオーバーフロー、ブロードキャストによるリフレッシュなどにより、新しい情報に更新されます。
スイッチングHubのポート間の接続変更やIPアドレス変更設置を行っている場合など、接続テストの際は注意が必要です。
VFD86F-LANの表示を行うには、メッセージを送信するソフトウェアが必要です。
表示ソフト(DispVFD)のほかに、お客様でスケジュール管理やシステム管理、POSレジなどのプログラムと連動させて表示を行うことができます。
その場合、送信プログラム(SendVFD)に出力メッセージを渡しして表示ができます。
ソフトはWindows
7対応です。
表示ソフトの簡単な内容変更などは、カスタマイズとしてお受けいたします。
(カスタマイズできるかは、変更する内容によりますので、ご相談ください。)
また、専用の表示ソフト、管理ソフトの開発もテクノベインズでお受けいたします。
電源スイッチを切ることができない運用の場合、コマンドを送ることでVFD86F-LANの蛍光表示管(VFD)を待機状態*1にすることができます。
(LANコントローラおよび装置全体の電源を切るためには電源スイッチでの切断が必要です。)
*1:VFDは動作原理としてヒーターから電子を放出し、蛍光体を発光させます。待機状態では、VFDのヒーターをOFFにします。待機中でも、コントローラは通電状態で動作しています。