SPT1500の消費電流について


PalmPDA SPT1500について動作電流測定を行いました。

使用機材

    SPT1500-ZRG40400E 日本語 Palm OS 3.5

    SANWA CDA-701(デジタルテスタ 200mA電流レンジにて測定 0.1mA単位) 目視測定

 

SPT1500の電池部を分岐させることで電池電流の測定を行いました。

測定はデジタルテスタを目視により測定していますので、瞬間値は測定できませんのし、かなり誤差はあります。

また、測定は1台1回のみですので、参考的にご覧ください。(SPT1500のプログラムを開発される場合、特に参考になると思います。)

 

状態 電流(mA)  
PDA電源スイッチOFF
クレドールから分離
0.4 〜 0.6 電源を切った状態で電流値が変わる
PDA電源スイッチOFF
クレドールに差し込む
0.4 〜 0.6 パソコン側接続なし(クレドールのスイッチ回路が接続される)
PDA電源スイッチOFF
クレドールに差し込む
ThinkPAD240(OFF)に接続
1.5〜1.6 RS232信号レベルが5V系
PDA電源スイッチOFF
クレドールに差し込む
DeskTop PC(OFF)に接続
1.5〜1.6 RS232信号レベルが12V系
PDA電源スイッチOFF
クレドールに差し込む
ThinkPAD240(ON)に接続
1.8  
PDA電源スイッチOFF
クレドールに差し込む
DeskTop PC(ON)に接続
1.9〜2.1  
以下はクレドールに差し込みDeskTop PC(ON)に接続 SPT1500はいずれも電源OFF
SPT1500 レーザーROMディスエーブルでPowerOFF 1.9  
SPT1500 レーザーROMイネーブルでPowerOFF 1.9  
SPT1500 レーザーROMディスエーブルでPowerOFFの状態で緑トリガーを押す 1.9  
SPT1500 レーザーROMイネーブルでPowerOFFの状態で緑トリガーを押す 14.4 ボタン離した後、6〜7秒この状態が続く
(レーザー発光や振動音はない)
以下はクレドールに差し込みDeskTop PC(ON)に接続
電源ON ランチャーで入力待機状態 21〜28 画面状態により異なる
電源ON ランチャーで入力待機状態 22.4 安定状態の時
メインメニュー切り替え瞬間 65〜67  
メモ帳の最初のリスト表示 21.2 安定状態
メモ帳の入力待ち状態 21〜25 Graffiti入力待ち 電流不安定
メモ帳のGraffiti入力状態 65〜68 入力時変動
電卓入力待ち 22.5  
HotSyncシリアル通信
HotSyncメニュー 23.5  
HotSync転送開始待ち 35.8 DeskTopを起動していない
HotSync転送中 78〜80  
バーコードアプリケーション(テクノベインズ製)
メニュー 22.4〜25.0 レーザーROM ON、スキャナディスエーブル
商品登録 22.9〜24.2 レーザーROM ON、スキャナイネーブル
レーザースキャン 155〜160 レーザーROM ON、スキャナイネーブル
緑トリガON(レーザー非発光) 35.1 レーザーROM ON、スキャナディスエーブル
DB削除 64.7 これがCPUのみでの最大?負荷状態
シリアル受信待ち 45〜50 転送フラグポーリング状態
シリアル転送中 70〜76 9600bps
デジタイザ部タッチ 37 Symbolのユーティリティ

測定値自体は、かなり誤差のあるものと思ってください。

しかし、全体の動作における雰囲気はわかると思います。

上記からわかるように、いくつか開発や使用において注意しなければならないことがあります。

①SPT1500(乾電池モデルのパーム)を使用しないときはクレドールに挿しっぱなしにしない
PDAが電源OFFであっても、クレドールに挿してあるだけで、電源ONの入力待機時の1割ちかい電流が電池から流れています。

②SPT1500の緑色スイッチは電源OFF 中でも、ROMがイネーブルの場合、ボタンを押すとかなりの電流が流れます。
未使用時(保管時)に、誤ってスイッチが押されないような置き場所に保管しましょう。

③電源ONの場合、入力待機時も20mA以上電流が流れていますので、なるべく自動オフまでの時間は短くしておく。

④Symbolで電池節約のためにROMをOFFにするようにかかれていますが、それ自体ではそれほど電流は変化ありませんでした。スキャン待ちの状態で電源自動オフになった場合、常に電流が流れているのではないかと心配していましたが、取り越し苦労でした。(どちらかと言うと②の問題のほうが大きい)

⑤シリアル通信はそれなりに電気を食います。これはポーリングでCPUが待ちうけに入れないのと、通信バッファIC自体の消費電流のためからきていると思います。

⑥PalmOS3.5の初期設定でPalmの絵が回転している画面の場合、かなり電流を食います。これは絵を書き替えるためCPUが常に動いているからだと思います。Palmで絵を動かすのは電源的に結構きつい作業のようです。

⑦電源スイッチOFFでの消費電流が多すぎます。本来電源OFFの場合、測定限界以下になってほしいと思います。。
PalmはメインメモリにDRAMを使用しているため、完全に電源を切ることができません。常にDRAMリフレッシュを行うために、電源スイッチがOFFの状態でもCPUが常に一定期間で活性化されるためだと思います。(Palmにとって、完全な電源OFFというのは電池を抜いて内部チャージの放電が終了したときだけのようです。)
出荷待ちなど長期間にわたって電池を入れたままにしておくと、せっかくの電池が出荷直後になくなったり、液漏れなどのトラブルが発生します。

⑧レーザーはかなり大きな電流が流れるため、照射時間設定を長めに設定するとバーコードのかなり手前からレーザーONとする習慣をオペレータにつけてしまうので、多少不便でもいちばん短め設定しておいたほうが良いと思います。

 

Palmはハードウェアを超省エネ構造にしているのではなく、なるべくCPUの動作を減らし、無駄な電力消費を抑え電池をを持たすようになっています。したがって、大きな処理(重い処理)を行うと電池的にかなり厳しくなります。

電池消費を確かめた上で思ったことは、(Palm開発では以前からよく言われていますが)データベースなどはあらかじめソートを行ったり、インデックス等をパソコンで作成し、Palmではそれを検索するだけにするといったダイナミックなメモリ操作を行わないような工夫が必要です。

 

測定日: Jan.26.2001

上記測定及び考察はテクノベインズで独自に調査したものであって、メーカー発表のものではありません。


Last Update : 2011/09/09


戻る トップページへ ご注文方法について 更新情報 
 テクノベインズ株式会社 〒113-0034 東京都文京区湯島3丁目31-4 ツナシマ第1ビル2階 電話:03-3832-7460 (平日:09:00-17:30) FAX:03-3832-7430
Techno Veins Co.,Ltd. Tsunashima Daiichi Bldg 2F, 31-4, Yushima 3, Bunkyou, Tokyo, 1130034, JAPAN. Tel:+81 3-3832-7460 FAX:+81 3-3832-7430  sales@technoveins.co.jp (弊社地図)
©Copyright Techno Veins Co.,Ltd. 1987-2011. All rights Reserved.