「総額表示」への消費税対応義務化について
2004年4月1日より、広告や商品棚、値札、レシートや領収書など商品売買やサービスなど、一般的な商行為(業者間取引および非課税業者を除く)において、商品価格の表示には消費税が含まれた「総額表示」で行う必要があります。
2003年3月末の改正消費税法により義務付けされた変更は、税率変更のような単純な変更だけでは対応できません。
すべての商品や商品棚の値札付け替え・レジ価格データの再登録が必要になるなど、販売方法やご使用のPOS・レジ環境によっては非常に大きな作業期間を要する場合があります。
今回の税制改正の変更内容をご確認のうえ、あらかじめ対応を準備する必要があります。
概要
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基本的に外税と言う考え方はなくなります。
従来合算金額に○○%を掛け算して求めていた消費税という考え方はなくなります。
基本的に従来の内税計算方式と同じですが、内税・外税のように税を分離して計算する考え方はありません。
また特に消費税額を表示する必要はありません。(消費税法施行規則第22条第1項が廃止されるため。)
消費税額を表示する場合、総額表示の金額の補足として、金額中には○○円の消費税額が含まれていると言う内容の表示になります。
総額を表示しないで「消費税抜きの本体価格XXX円消費全額XX円」と言う表示は誤った表示となります。
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どのような形の価格表示であっても、税が含まれている価格での表示となります。
商品に販売価格の値札をつけている場合、外税価格のものはすべて変更する必要があります。
POSなどで商品自体で販売価格の表示を行っていない場合でも、通常商品棚には売価を表示していますので、
外税価格のものは、やはり2004年4月1日までにすべて変更する必要があります。
雑誌、書籍、衣料品などでは販売価格の表示やタグがつけられていますので変更が必要です。
カタログや価格表なども2004年4月1日までにすべて変更が必要です。
→財務省では2004年4月1日以降も利用される商品カタログ等も、事前に対応しておくことを指導しています。
お店や物販をされている場合
- 値札、商品陳列棚、店内表示、商品カタログ等への価格表示
- 商品のパッケージなどへの印字、あるいは貼付した価格表示
- 新聞折込広告、ダイレクトメールなどにより配布するチラシ
- 新聞、雑誌、テレビ、インターネットホームページ、電子メール等の媒体を利用した広告
- ポスター
(総務省ホームページより)
お店などによりいろいろ異なると思いますので大まかな説明を行いますと以下の点
いままでの外税商品について、すべて税込みの価格とした計算する必要があります。
業者間取引においても総額表示とする可能性が高いので、その際に端数を消すために商品価格が変更される可能性が充分にあります。
その場合、商品単価でまるめが発生するため、仕入れ価格も変わってきます。
今までは税額計算で端数が出るために1円単位で扱ってきた商品も、総額表示に変更する際に端数を丸めた価格に変更する可能性があります。
一般的にここでの値上げは便乗値上げととられてしまいそうで、切捨てで価格調整を行うと思われますが、例えば外税190円であった商品は税込みで199.5円となりこの場合、200円とする可能性が高く思われます。
また、金融丸め(偶数への丸め)など、総額表示適用後の価格を一律に予想することは不可能ですので、
販売元でも同様に
お店での
現在のレジが対応可能か調べるために、以下のチェックを行ってください。
レシートに表示される商品販売単価に税込価格が表示されるか?
現在外税の商品の価格テーブルを内税価格に変更して、内税商品として設定できるか?
全商品の価格テーブルが変更となるために、2004年4月1日までに切り替えが可能であるか? どのタイミングで切り替えるか?
レシートやカスタマディスプレイ、レジで発行する領収書などで、合計欄に税込価格となっているか?
消費税額が表示されてしまう場合、正しい表記、金額となるか?
販売商品に雑誌、書籍等が含まれる場合、商品にでは印刷されているため、単品販売した場合など商品の表記価格とずれが発生しないか?
以下の作業が必要になります。
レジソフトを作成されている場合
消費税を含まない価格
税率変更があった場合、在庫商品の対応をどうするか
現在の多くのレジではレシート表示など変更する必要が発生します。
近年においてはPOSの導入が進んだことなどから流通商品の多くは商品自体に価格の表示印刷することは減ってきています。
書籍や雑誌などでは現在でも多く価格が表示されています。
商品価格(売価ではなく定価)をお客様に示す場合、
考え方
総額表示の場合、すべての価格を内税で考えます。
第1の問題点
従来98円とか480円などの価格であった商品は、総額表示となった場合、102円とか504円となります。
なじみある98円などの価格をつけるためには値下げをする必要があるわけです。
100円ショップさんなどでは商品表示を105円とする必要があり、100円と表示するためには5%の値下げを行う必要が出てきます。
総額表示により多くの商品の価格が変更される可能性があり、一度に対応する必要があります。
第2の問題
従来お客様に提示する税込み価格と言うものはお店で計算してつけることができました。
ところが総額表示の場合、メーカーが消費税の丸めの決定を行うことになります。
現在消費税率が5%の場合、98円の商品は消費税を足すと102.9円となります。
通常1円未満の金額は商品につけられませんので、この商品の価格を103円にするか、102円とするかはメーカーの方針になります。
消費税率が変更された場合、常にこの問題が付きまといます。
従来のように商品価格に一律の税率計算で商品価格は決定できないため、「総額表示」適用時や消費税率が変更された場合、すべての商品のメーカー定価を変更する作業が必要となります。
第3の問題
現在のレシートから合計表示の部分が変更されます。
多くのレジでは外税金額合計、算出税額、合計金額を印刷しています。
これが内税金額表示や税額を表示する場合逆算で消費税額を計算することになります。
多くのレジでは税率変更についてはあらかじめ対応しているのですが、最初から上記表示ができる従来レジは少ないと思われます。
以下は財務省で指導されているレシートの例です。
ショップテクノベ湯島店
平成16年4月1日
3 × 157単
カップラーメン 471
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合計 471
(内税
22)
現金お預かり 500
お釣り
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なぜこのような問題が発生するか
総額表示は通貨単位で扱いますので、1円未満の金額は基本的に考慮されません。
しかし、現在の消費税は5%なので最小単位は5銭です。
銭の単位で計算させておいて、銭はありませんので矛盾が発生します。
そのため日本の通貨単位で
Last Update : 2011/09/09
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